経済の窓 2019 6 30

2019年6月29日の日本経済新聞の電子版には、このような記事がありました。

「香港あっての中国」は、どこへ 北京が恐れるマネー流出

 香港は、東京やシンガポールと並ぶアジアの金融都市だ。
「マネー」を糸口に検証すると、香港の大規模デモの注目すべき断面が浮き上がる。
「香港あっての中国経済」という中国経済の成長を支えた構図が揺らいでいる。
 香港は、世界のマネーを集めて中国本土に供給してきた。
昨年の中国企業のエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)のうち、
香港での調達額は42%、IPO(新規株式公開)に限れば55%に及ぶ。
 経済規模こそ中国の3%足らずになったが、
中国は今も、香港で調達した大量の資金で成長している。
 中国の成長を支える、このような香港の機能が弱まれば、
香港株だけでなく、人民元も売りにさらされていただろう。
それでなくとも、中国経済は減速し、米国との貿易戦争で苦戦を強いられている。
 北京には、香港に介入する動機がある。
2015年8月に人民元が急落した「チャイナ・ショック」以降、
本土の人々は資金を外部に一段と逃がし始めた。
事業進出や不動産購入の形で、多くのマネーが向かった先が、隣接する香港だった。
 香港は、外国マネーの入り口だけではなく、
本土マネーが流出する出口としての顔もちらつかせ始めた。
(引用、以上)
「ドルの地位は、安泰かもしれません」
 今まで、ドルには、数多くの危機がありました。
欧州が「ユーロ」という基軸通貨を作りました。
しかし、欧州経済の迷走で、ドルは安泰になりました。
 サダム・フセインのイラクが、
石油の決済通貨をユーロにすると発表したものの、
イラクは、戦争に敗北して、ドルは安泰になりました。
現在、アメリカは、シェール革命で、世界最大の産油国になりました。
 リーマンショックという金融危機がアメリカで起こりましたが、
投資銀行業務は、欧州のほうが大きかったので、
欧州では、いまだに鎮火していない様子です。
そもそも、不動産バブルは、欧州のほうが大きかったのです。
これで、「焼け太り」という手法で、ドルは安泰になりました。
 さらに、暗号通貨が「無国籍通貨」として流行しそうでしたが、
中国が人民に暗号通貨の使用を禁止した結果、
ドルの地位は、安泰になりました。
人民が暗号通貨を使うと、資産を海外に流出させる恐れがあるのです。
 こうして、ドルは、不戦勝を続けながら、強くなってきました。
一時期は、著名なモデルが「報酬をユーロでないと受け取らない」と発言したのも、
今となっては、昔話になってしまいました。
 香港は、欧米諸国に開いている窓でしょう。
経済や金融から見える景色は、また違ったものがあります。







































































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